シフトという概念を知らなかった私の話
- Ume
- 4月3日
- 読了時間: 3分
更新日:5月7日
先日、ふと思い出したことがあった。
私が19歳の頃、ミスターMAXでアルバイトを始めた。
提出した履歴書に載っていたのは、1日でクビになったダイレックスのみ。
したがって、当時の私には「シフト」という概念がなかった。
では、「シフト」という概念がないとどうなるか。
完全自由出勤での労働の爆誕である。
朝起きて、気が向いたら出勤し、
疲れたら退勤し、
好きなだけ連休を取る。
我ながら、生まれながらの経営者気質である。
当時の私は、この働き方に一切の疑問を持たず、
むしろ「初めての労働」に対して、健全なやる気すら感じていた。
そしてもう一つ問題なのは、当時の上司、鈴木さん(仮名)もまた、
「シフトの概念を知らない人間が存在する」
という前提を持っていなかったことである。
人間というのは、自分が知っている世界の範囲でしか他人を理解しない。
そのため私は、2〜3週間ほど、誰にも咎められることなく、
疑問を呈されることもなく、堂々と自由出勤を続けていた。
が、ある日、呼び出された。
「シフト通りに来てね。自由出勤はだめだよ。」
至極まっとうである。
ただ、この一言で私は初めて、
「労働」に隠された真実を知ることになった(誰も隠していないが)。
働くというのは、
「時間に拘束される」という、社会の基本ルールらしい。
当時の私にはなかなか衝撃的で、
働くことの難しさと煩わしさを思い知らされた出来事だった。
さて、そんな人間も、今では一応、経営者をやっている。
現場からは日々、いろいろな報告が上がってくる。
新人職員の面白いエピソードも、時々耳にする。
だが、さすがにまだ、
「自由出勤していた猛者」には出会ったことがない。
安心してほしい。
人は若い頃、とんでもないことを平然とやらかす生き物だが、
それでも意外と、なんとかなる。
そして同時に、こうも思う。
新人職員の「あり得ない行動」に出会ったとき、多くの人はこう言う。
「こんな常識もないのか」
だが、その「常識」は、最初から備わっているものではない。
少なくとも私は、19歳どころか、その後もしばらく備わっていなかった。
おそらく、ミスターMAXの鈴木さん(仮名)も、
「コイツやべぇな」と思っていたはずである。
正しい。
間違いなく、やばい。
だが、それでも、である。
人は、知らないだけで壊れているわけではない。
分からないだけで、終わっているわけでもない。
仕組みと経験で、いくらでも変わる。
むしろ問題なのは、
「普通は分かるだろう」と思い込む側である。
組織とは、「分かる人」で作るものではない。
「分からない人がいても回るように」作るものである。
では、あの頃の自分が今、目の前に現れたらどうするか。
怒らない。
ただ、仕組みに戻す。
問題は、人ではなく「前提の欠落」だからである。
もっとも。
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