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パンツとエプロンと私(私の介護道)

  • Ume
  • 6月25日
  • 読了時間: 3分

介護職時代の“若気の至り”というものは、誰にでもある。

だが、私のそれは、少々──いや、だいぶ度が過ぎていた。


20年前の当時、私は新人介護職員として、全身全霊で仕事に打ち込んでいた。

特に入浴介助には魂を燃やしていた。「ご利用者様の命の洗濯だ!」とばかりに、まるで戦場に赴く兵士のごとく、浴室に突入。


文字通り「汗水垂らして」である。


そんなある夏の日のこと。

いつものようにバタバタと準備をしていた私は、大切な“ある物”を忘れていた。


そう──浴衣(着替え)だ。


気づいたときにはすでに遅く、入浴介助の時間は刻一刻と迫っていた。

「いや、でも着替えがない。どうする?戻るか?……いや、間に合わない!」

そのときの私は、真剣そのものだった。いや、愚直そのものだった。



結果、私はこう判断した。



「パンツ一丁にエプロンがあるじゃないか。むしろ涼しい。機能的。うん、いける!!」


……いや、いけなかった。


が、その日の私は、パンツ一丁にエプロンという、完全に“お縄”スタイルで、堂々と浴室に登場したのだ。


勿論、当時の私は真剣そのもので、「○○さん、かけ湯しますね〜」などと言いながら、甲斐甲斐しく入浴介助を遂行していた。


が──事件は起きた。


浴室に入ってきた女性スタッフが、私の姿を見て、悲鳴を上げたのである。


それは、決して「きゃっ♡」という可愛げのあるものではなく


濁点の入った「ぎゃあ”あ”っ!!!」という、警報レベルの其れである。




そこで私はようやく、気づいたのだった。



「あれ……?これって、もしかして……アウトなやつ?」



ふと鏡に映った自分の姿が目に映る…


汗で顔をテカテカにし、上裸にエプロン貼り付けさせた中年男が、タオル片手にご利用者と向き合っているその光景は、思った以上の狂気の沙汰だった。



悲鳴の主である女性職員と利用者様に平謝りすると、利用者様は楽しそうに笑って許してくれた。 が、先輩職員からは


「むしろ全裸より怖いわ」


と、ありがたい評価をいただいた。


おっしゃる通りである。




あれから20年近くが経つ。

私はいま、経営という浴室に飛び込み、今日も汗水垂らしている。

だが、あのときのように

「何が正しいか」ではなく、「今やるべきか」だけで動く危うさは、今も自分の中に潜んでいる。だからこそ、ふと迷ったときは、あの日の“パン一エプロン事件”を思い出すのだ。



「一生懸命でも、ズレてたら意味がない。真剣さは、冷静さとセットで。」



若手職員の皆さん、どうか焦らず、着替えは忘れず。

そして、突っ走る前に、鏡を見よう。


職場では決して裸にエプロンにならないように──今なら完全にコンプライアンス違反で一発アウトである。 これは、私からの切実なアドバイスである。 株式会社あったかいご 福岡県有料老人ホーム 福岡県訪問介護ステーション 福岡県訪問看護ステーション 福岡県介護職員求人

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