鬼、優しさに包まれる。あったかいご弥永の節分」
先日、「あったかいご弥永」で節分のイベントに参加した。私は施設長とともに鬼役を任され、赤鬼と青鬼に扮して登場。「ウオォォ!」と気合を入れて現れたものの、利用者の皆さまの反応は想定外だった。
「まあ、可愛い鬼さんねぇ」「そんなに怖くないわね」「あら、社長さんでしょ?」
いや、そこはもう少し驚いてほしかった。せっかく気合を入れて鬼の役に挑んだのに、まるで孫が遊びに来たかのような温かい反応だ。施設長と顔を見合わせ、「これはどうしたものか」と思っている間に、弥永の事務職員が用意した手作り豆(紙を丸めたもの)が配られた。
「さあ、鬼退治よ!」
その掛け声とともに、利用者の皆さまが一斉に豆を投げる。といっても、痛くないようにそっと投げてくれる。なんなら、「当たるかしら?」と確認しながら投げてくれる方もいた。優しさの塊である。
「鬼は外!」の掛け声もどこか和やかで、私は「福も外に逃げていかないか?」と心配になったほどだ。施設長も、「これは“鬼退治”というより、“鬼との交流”ですね」と笑いながら、ゆるやかな豆攻撃を受け止めていた。
イベントが終わると、「楽しかった!」「来年もまた来てね!」という声が飛び交う。私は「え、来年も鬼役確定ですか?」と驚いたが、皆さまの笑顔を見ていると、そんなことはどうでもよくなってくる。心がほっと温かくなるのを感じた。
老人ホームにおけるイベント・レクリエーションの意義
この節分イベントを通して改めて感じたことがある。それは、施設におけるイベントやレクリエーションの重要性だ。
介護施設は、ただ生活を支える場所ではない。「人生を豊かに過ごす場」であるべきだ。 生活リズムが単調になりがちな環境の中で、こうしたイベントは日々に彩りを加え、利用者の皆さまの活力につながる。
イベントの持つ意義は大きく分けて3つある。
① 心の健康の維持
笑うこと、楽しむことは、心の健康に直結する。認知症予防の観点からも、感情が動く時間を持つことは非常に重要だ。実際、節分イベントの後には「今日はよく笑ったわ」「久しぶりにこんなに動いた」と話す方も多かった。
② 人とのつながりを感じる
イベントを通じて、利用者同士が話したり、職員と交流を深めたりする機会が生まれる。「豆を投げる」「鬼が逃げる」という単純な遊びでも、周りの人と一緒に楽しむことで、自然と会話が増え、人とのつながりを実感することができる。
③ 施設の雰囲気づくり
経営者としては、施設の雰囲気づくりも非常に重要なポイントだと考えている。レクリエーションが活発な施設は、利用者の満足度が高く、結果的に職員の働きやすさにもつながる。イベントを大切にする文化が根付くことで、「ここで働きたい」「ここで暮らしたい」と思える施設になり、入居希望者やスタッフの定着率向上にも貢献する。
次のイベントも楽しみだ
節分イベントが終わった後、私はふと思った。「次は何のイベントがあるのだろう?」と。ひな祭り?お花見?夏祭り?どんなイベントであれ、利用者の皆さまの笑顔を見るためなら、私は鬼でも、何でもやる覚悟だ。
むしろ、次は鬼役以外に挑戦したい気もするが…その希望が叶うかどうかは、また来年の節分にならないと分からない。
ともあれ、利用者の皆さまとともに、これからも楽しい時間を作っていきたい。次のイベントが、今から待ち遠しい。
株会社あったかいご
福岡県福岡市有料老人ホーム
福岡市訪問介護
福岡市訪問看護
Comments