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バレンタインデーと、経営者の孤独

Ume

もうすぐ2月14日。

世間は「義理」だの「本命」だのと、チョコを巡る攻防戦でにぎわっている。

一方で私は、デスクに積み上がった契約書と向き合いながら、ブラックコーヒーをすするのみ。


「社長、バレンタインにチョコはもらえました?」


そんな質問に対する答えは、毎年のごとく変わらない。


「そんな甘い話があるなら、ぜひ私にも教えてほしい。」




「信頼」という名のチョコをくれる人たち



とはいえ、私には「信頼できる社員たち」がいる。

チョコはもらえなくとも、彼らからは 確実に仕事を回す能力 という、何よりありがたいプレゼントを受け取っている。


たとえば、No.2の女性管理職。

彼女は 見た目は完璧なキャリアウーマン なのに、たまにスリッパで帰ろうとしたり、バッグを忘れて出て行ったりする。取引先に名刺を忘れるのは、もはや 彼女なりのブランディングではないか と思うほどだ。


しかし、彼女の仕事の進め方には 迷いがない。

難しい決断をし、目標を確実に具現化する力を持っている。

私が彼女を信頼するのは、チョコレートよりも 経営に必要な「甘くない」判断 をしてくれるからだ。


そして、事務主任。

彼は30代前半と若いが、驚くほど優秀で、AIのように正確。

ただ、彼のユーモアのセンスはやや高度すぎる。

先日も「これ、社長ならわかりますよね?」とドヤ顔でジョークを飛ばしてきたが、申し訳ない、私はまだそのレベルに達していない。


そんな彼の強みは 大局的な視点 にある。

会社全体の流れを見て、先回りして仕事を進める力は、まさに 経営者が頼るべき資質 だ。


そして、入職して半年に満たない管理部の男性職員。

彼は 1つ頼むと3つ返ってくる ような男だ。

しかも、そのスピードが尋常ではない。


私が「これ、頼める?」と言った瞬間、すでに8割がた終わっていることもある。黙々と仕事をこなす彼の存在は、もはや会社を支える主軸の一つといっていいだろう。



甘いものより、ほろ苦い現実



この3人の社員に共通しているのは、「具現化する力」「大局的に見る力」「素直で真っ直ぐな心」 を持っていることだ。

だからこそ、私は彼らを信頼する。


しかし、信頼がいくらあっても、バレンタインのチョコは増えない。

いや、むしろ仕事がスムーズに回るせいで、ますます仕事に没頭できる環境が整ってしまった。


……これが経営者の宿命というものだろうか。



誰か、私に「義理」をください



チョコレートの原料であるカカオ豆の生産地では、「カカオがあるのに、チョコを食べたことがない子どもがいる」という話を聞いたことがある。


……これが経営者の立場と妙に重なって見えてしまうのは、私だけだろうか?


会社を経営し、社員を信頼し、未来を作る。

しかし、その一方で、私はチョコの香りとは無縁のデスクに座っている。


誰か、私に「義理」でもいいから、チョコレートをください。


それが叶わぬなら、せめてこのブラックコーヒーに砂糖を入れることを許してほしい。



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